俺妹

完璧超人の美少女女子中学生(妹)が実はオタクだったことが主人公(兄)にバレるところから始まり、そんな妹を嫌い、オタクの趣味にも関心を持たない主人公が物語を通じて妹やオタクへの偏見を改め、自らもそれに立ち向かっていくといったお話。
物語の概要だけをなぞると「なんだ、ただのツンデレか」で終わりそうなもんなんだが、最後の最後、1%だけ控えめにデレるだけ。残りの99%もとてもツンデレとは呼べる代物ではない。とにかく、兄貴を虫けら扱いする、罵倒する。不条理に。
乃木坂春香の秘密が既に受け入れられているように、設定としては定番かつ陳腐であり、当たり障り無い物ではある。しかし、これが他の「美少女が実はオタクでその秘密は僕だけが知ってる」系ラブコメと一線を画しているところは、リアルな妹像をこれでもかというくらい悪辣に強調して「一人のキャラクター」に落とし込んでいる所だろう。
オタクの欲望に媚びない(それも徹底的に)キャラ設定なので、結構好き嫌いが別れそうだが、個人的には大ヒット。妹かわいいよ、妹。
また、萌えを捨て、エンタメ性に殉じた潔さも賞賛に値する。
特にオチの一文は秀逸。