レッド・ハウス・ペインターズ

Red House Painters 1

Red House Painters 1

マーク・コズレクさんの全盛期と言えますか、93年作。にるばあなのユーテロだったりスマパンのサイアミだったり、グランジ最後の輝きの中ひっそりと産み落とされたnsanのマスターピース
コズレクが当時の心境を「狂いそうだった」と表現している通り、何かが「憑いている」音である事は言うまでもなく、月並みな類比ではありますが、イアン・カーティスであったり後期のニック・ドレイクに通じる目を背けたくなるくらいの痛々しさがここにあります。穏やかでゆるやか、しかしヒリヒリと焼け付く痛みや苦しみを内包した美しい美しくないを超えた先にある、魂をダイレクトに揺さぶる色々な意味で「痛々しい」音。
憑きものが落ちてある種達観した感のある最近の彼ももちろん好きではあるのですが、やはり心揺さぶれる点においてはこの時期に勝さるものはない。

僕らは丘を歩き
弱まりつつある太陽に気が付いた
僕は確実に知っている
君が決して僕のものにはならない事を
僕らが生きる禁じられた瞬間
それは僕らの悲しき逃避を燃え上がらせ
そして 言葉がさらに情熱をたぎらせる


何故君はこうなのか 言ってくれよ
僕は他の誰かと同じなのか
僕をこの病気から救ってくれ そして僕に言って欲しい
君はなぜ僕をこのように扱うんだ?
君は何故こうなのか言ってくれ
僕は他の誰かと同じなのか
この病気から救ってくれ そして 僕に言ってくれ
何故君はこうなのだろう……


by Grace Cathedral Park