魔法陣グルグル

魔法陣グルグル (1) (ガンガンコミックス)

魔法陣グルグル (1) (ガンガンコミックス)

魔法陣グルグル (16) (ガンガンコミックス)

魔法陣グルグル (16) (ガンガンコミックス)

魔法陣グルグル コミック 全16巻完結 [マーケットプレイス コミックセット]

魔法陣グルグル コミック 全16巻完結 [マーケットプレイス コミックセット]

小さい頃、大好きだった漫画。
独特のセンスを感じさせるシュールなギャグもさる事ながら、ソフマップ秋葉原アナグラム(パンフォス、アラハビカ)などの多彩な元ネタを探すのも面白い。他には魔術師らの名にバルト、ガタリラカンデリダなど……フランス現代思想から名称を持ってきたのが気になる。
プラトー教はドゥルーズ=ガタリの『千のプラトー(ミル・プラトー)』かあるいはプラトンから。
夢の世界、深層意識、ループ展開など今で言うセカイ系に通じる側面もあり、と言うか精神分析繋がりでフランス現代思想なのか……? なんせラカンガタリだし。
ギャグ成分が減りポエミー化した後半に失速したとの評価が多数のようだが、物語の展開が多少駆け足気味になってしまったこと以外はむしろ高評価。
魔王討伐をすべく広大な世界を旅していく冒険譚から一転して本作のヒロイン、ククリの心の内面(グルグルの謎)を解き明かしていく中盤から後半にかけての内省的展開は圧巻と言う他ない。
子供はもちろん大人になってから読んでも、再発見のある文句なしの名作と言えよう。
もちろんただ単にギャグ漫画として読んでも面白い。

追記:
鋼の錬金術師荒川弘は本作の作者、衛藤ヒロユキのアシスタント出身でかなり影響を受けているそうな。