とある魔術の禁書目録 1-10

現在10話まで進行。ラノベ原作。
禁書目録と書いてインデックスと読みます。よく訓練されたオタクはこの情報だけでそれがどんなものであるか理解できる。
――これは厨二だ、と。
原作は西尾維新奈須きのこ直系(一巻のみ読了済)の文学線バトルモノ。ネーミングセンスが色々と香ばしい。
でもまあ、しかし西尾ほどキャラの会話が面白くも無し、菌糸類ほど濃いわけでもない(良い意味でも悪い意味でも)のは自分以外にも多くの人間が認めるところでしょう。
劣化西尾、劣化きのこなる評は悪意はあれど的確ではある。好意的に評すならば「マイルドになった西尾もしくはきのこ」になりますが、自分はどっちかというと後者で評したい。というのもマイルドというか、はっちゃけきれてない恥じらいのある厨二が結構好きなので要はあまり悪く言いたくないってだけなんですが。


で、アニメ評。
先に書いた通り、一巻しか読んでないので原作との比較は難しい。
原作共々、基本的には俺TUEEEEEE!、俺ジャスティス!など厨二の典型をなぞる王道路線を往く作品なのですが、禁書の面白いところは、主人公もどの敵も皆「インデックスを助けたい」という一点でそれぞれ動いてるのに、どのキャラクターも持論に拘泥し過ぎて目標は同じなのに意味も無く戦ってしまうその滑稽さなんですね。
主人公の前に敵が現れて襲ってきたと思ったら、目的が同じだと分かるやいなやいきなりポエミーな泣き言をほざき出したり、インデックスが助かった後に現れた敵は彼女がまだ助かっていないものと勘違いして、それを指摘されたのち逆切れ、のち自爆なんて展開。
そして結局は主人公の俺様ポエムが正しいのだった、で終わる。
そして視聴者は敵を敵として見られない不燃焼感を抱えて終わる。
ここまで拳をかち合わせる無意味さを強調した燃え展開をシュールなシチュエーションギャグに昇華させる作品なんて自分はちょっと知らない。ゆえに興味深い。
ありがちな俺様の拳inジャスティスより俺様ポエムinジャスティスの方が平和的でいいじゃないですか。結局殴ってるのは同じですけど。